寺に居る理由 4

本日、うちの寺で文化財防火訓練が行われた。
教育委員会から会場に・・・との依頼があったとき、点検の延長みたいなモンだと気楽に構えていたら、ご門徒は70名以上、消防・役所関係が15名ほど参加くださってびっくり。ずーっと頭を下げて挨拶に回った防火訓練でした(^^;)

さて、いよいよ中国語講座当日。開催は夜7時半からと聞いていたが、会場の小学校がどこか分からない。当時私はペーパードライバーで、車を持っていなかったので、近くのバスターミナルでタクシーを拾い、小学校まで乗せてもらった。どんどん上がっていくメーター・・・。帰りはきっとバスもなかろうし、歩いて帰るかな、と半分覚悟を決めていた。
駐車場に、同じく中国語講座に来たとおっしゃるおばさまたちがおられ、後をついて夜の小学校に足を踏み入れた。今時の小学校はきれいに改装されて校舎内も明るいし広々している。子供がゼイタクになるわけだ、とぼんやり思う。広々したホールに、恐竜の大型模型とホワイトボードが置かれている。
講座は図書室で開催、ということで図書室に向かうが、そこは真っ暗。
「まだ鍵を取りに行ってないのね〜。」と言い合っていたところに、この会の主催者の市議会議員さん(女性)と講師の国際交流員さんが現れた。
「いま、鍵を取りに行ってくれてるから。」と議員さん。教え子ちゃんも来たので、そこにいるメンバーに一通り挨拶したところに、スーツ姿の体格の良い男性がやってきた。鍵を回して図書室の扉を開き、電気をつける。テーブルをちゃっちゃとまとめて皆が座る席を作る。
みな思い思いの席に腰掛け、私もあいている席に座った。
私が初めての参加ということで自己紹介をさせていただいた。
この町に来て、学校以外の人たちの集まりに来たのは初めてのことだった。
授業開始からちょっと経って、
「なにか、黒板みたいなものありませんかね。」
と、先生がおっしゃっる。
「あ、探してきましょうか。」
先ほどの男性が立ち上がる。
「ホールにあったから、持ってきましょうか。」
と、私も立ち上がり、図書室を出てホールのホワイトボードに向かって歩き出した。
男性が後に続く。ホワイトボードは足つきで動かし易いタイプ。
「じゃ、押してください。せーの!」
男性が先に立ち、私が後ろからホワイトボードを押して、図書室へ運んでいく。
これが夫との出会いで、思いがけず初めて二人で行った共同作業となった。
夫は後にこのときの出会いを「あのとき、すぐ反応して動いたのにいいなあ、と思った。一緒に運んだのがホワイトボードだったから、この人とはなにか知的なことを一緒に広めていくご縁があるのかな、と勝手に考えてたんだ。」
ほんと、勝手である。妄想である。思いこみが激しいヤツなのである。
それが、現実にいまお寺を一緒に運営させていただいていることを思うと・・・いやはや、人の念というか思いはすごい力を持っていると感じざるを得ない。
その日、久々に中国語の世界を楽しんだ後、足がない私を、先ほどの男性が送ってくれることになった。教え子ちゃん、議員さん、講師の先生、私、と順々に送ってもらい、二人きりになった車中で本や映画の話で盛り上がった。
「今度いっしょに映画に行きませんか?」
と誘われたが、中間テストが近く、初めての問題作りでそんな気分になれなかったので丁重にお断りし、男性は帰っていった。
しかし、運命の女神は彼の味方・・・というか、仏様のご加護が強く働いていたのだろう。
一週間後、私は自分から彼に歩み寄っていくことになった。しかも、半分仕事で。

 
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